# 「できない」が「好き」に変わる!学力よりも大切な「学習力」を育む4つの視点
要約 この記事では、「学力」と「学習力」という2つの視点から学びを捉え直します。「できない・嫌い」な世界を冒険する力である学習力の重要性を解説し、その力を具体的に育むための「けテぶれ」や「QNKS」といった手法を紹介します。さらに、学習力を「粘り強さ」「自己分析力」「工夫する力」「人と繋がる力」の4つに分解し、子どもたちが自らの学びを深めるための具体的なヒントを提供します。
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「できる・好き」の世界と「できない・嫌い」の世界
学びの世界には、学力と学習力という2つの大切な視点があります。
学力とは、テストで100点を取れる、絵が上手に描ける、足が速いといった、「できるか・できないか」で測られる能力のことです。これは他者との比較がしやすく、自分の得意なことを知る上で重要な指標です。
しかし、この「できる・好き」という世界観だけでは、人生の冒険は少し物足りないかもしれません。なぜなら、小学校3年生の時点での「できる・好き」と「できない・嫌い」だけで、大人になるまで過ごすのはもったいないからです。
「できる・好き」な世界を突き進むことは素晴らしいことですが、その先には必ず新たな「できない」という壁が現れます。その壁にぶつかった時、「できないから嫌い」となって立ち止まってしまうのではなく、「できない・嫌い」と感じる世界を自ら冒険し、楽しむ方法を知っている方が、人生はもっと豊かになります。
「できない」世界を冒険する道具としての「けテぶれ」
では、「できない・嫌い」な世界はどうすれば冒険できるのでしょうか。そこで重要になるのが学習力です。これは、「できない・わからない」世界を、自らの力で「できる・わかる」世界に変えていくための力です。
その冒険の道具となるのが、けテぶれ(計画・テスト・分析・練習)やQNKSといった学習手法です。
- 計画を立て、
- テスト(挑戦)し、
- 分析して、
- 練習する
このサイクルを繰り返すことで、「わからない」という大きな塊を少しずつ切り分け、整理整頓しながら、「できること」を一つずつ増やしていくことができます。
先日、私のクラスで、漢字が苦手で苦しみながらも頑張っていたある子が、国語のノートにこう書いていました。
「漢字が苦手で嫌いだったけど、好きになりました」
これこそが、学習力の持つ素晴らしいパワーです。「できない・嫌い」だった世界が、けテぶれという道具を使って粘り強く挑戦することで、「できる・好き」な世界に変わった瞬間でした。
これは、自分の人生の地図を自分で書き換えられるスキルを手に入れたということです。「わからない・できない」ことに出会った時、「怖い・嫌い」と避けるのではなく、「もしかしたら、これを好きになれるかもしれない」という可能性を持てる人生は、とてもエキサイティングだと思いませんか?
学習力の正体とは?子どもたちに伝えた4つの力「ABC+1」
私は、子どもたちの「けテぶれノート」を見て、その学習力を星の数でフィードバックしています。この星は、単なる評価ではなく、子どもたちがどのような学習力を発揮したかを示す指標です。
そして、子どもたちの理解が深まってきた今、学習力の正体をより詳しく説明しました。学習力は、大きく分けて以下の4つの力で構成されています。
A:粘り強くやる力 学びに向かう基本の力です。まずはやってみる、そして粘り強く取り組む姿勢を評価します。 - たくさんの量を練習した - これまでよりも時間をかけて取り組んだ
このような「量」への挑戦が、この力に対応します。
B:自分を見つめる力(メタ認知) 自分の現在地を正確に把握する力です。自分を客観的に見ることで、次の一歩が踏み出せます。 - 分析の記述で、できるようになったことや苦手なことを具体的に書いている - 丸付けが正確にできている
これらは、今の自分をきちんと見つめようとしている証拠です。
C:より良い方法を工夫する力 ただやるだけでなく、どうすればもっと良くなるかを考える力です。 - 心マトリクスなど、自分なりの方法を開発した - QNKSのような思考ツールを使いこなしている - 友達のやり方を真似て(マインドセットして)取り組んだ
学習を調整し、改善しようとする工夫がここに現れます。
+1:人と繋がる力 学びは一人で完結するものではありません。他者を頼り、他者に貢献する力も立派な学習力です。 - 「〇〇さんのおかげでわかった」「ありがとう」と感謝を伝えている - 友達に教えてあげたことや、友達ができて嬉しかったことを書いている
他者との関わりの中で学びを広げていく姿勢を評価します。
まとめ:学習力は人生を豊かにする宝物
これまで、子どもたちは感覚的に「星が多いと嬉しい」という世界で頑張ってきました。しかし、学習力を「ABC+1」という視点で分解して伝えたことで、彼らは自分の学びをより深く見つめ直すための地図を手に入れました。
日々の振り返りの時間に、 「今日は粘り強くできたかな?(A)」 「今の自分の実力を見つめられたかな?(B)」 「方法を工夫できたかな?(C)」 「友達と助け合えたかな?(+1)」 と自問することで、学びはさらに分厚いものになっていくでしょう。
学力が今持っている武器だとしたら、学習力は新しい武器を手に入れたり、今ある武器を磨いたりする方法そのものです。この「学ぶ力」こそが、予測困難な未来を生きる子どもたちにとって、人生を豊かにする最高の宝物になると信じています。