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自分と性格が違いすぎる子どもを認められない…そんな悩みを解決するヒント

多様性両極自己理解主体性信じて、任せて、認める

この記事では、親が自分と性格の違う子どもを否定的に見てしまうという子育ての悩みについて解説します。子どもの持って生まれた特性を変えようとするのではなく、良い面と悪い面の両方からフラットに捉えることの重要性を指摘します。その特性を前提に、親子で一緒にうまくいく方法を考える「伴走型」の関わり方を提案します。

はじめに:なぜか我が子を認めてあげられない悩み 「自分は慎重に人の気持ちを考えて行動するタイプなのに、我が子は全く気にせず自分の意見で突っ走ってしまう…」 「どうしても子どもの価値観が理解できず、否定的な言葉をかけてしまう…」

子育てをしていると、このように自分と子どもの性格があまりにも違いすぎて、どう関わっていいか分からなくなるという悩みをよく聞きます。我が子には幸せな人生を送ってほしいと心から願っているのに、つい否定的な関わりをしてしまい、関係が悪化してしまうケースは少なくありません。

今回は、このような親子間の価値観の違いから生まれる葛藤について、どのように向き合えばよいかを考えていきます。

やってはいけない関わり方:子どもの「特性」を力で変えようとすること まず、うまくいかない典型的な関わり方は、子どもの持って生まれた性格、つまり魂のあり方のような根源的な特性を変えさせようとすることです。

例えば、「時間に余裕を持って、早め早めに準備しなさい」と何度言っても、ギリギリまでやらない子がいるとします。これは、その子の「スタイル」であり、深いパーソナリティと結びついた特性である可能性があります。

このような特性に対して、親が「それはダメなことだ」と一方的に否定し、力ずくで変えようとしても、ほとんどの場合うまくいきません。仮に無理やり言うことを聞かせ、その子の尖った部分を折ることができたとしても、それは子どもが自分らしさを押し殺して生きることにつながりかねません。

本来持っているエネルギーの発揮を「悪」だとラベリングされてしまうと、その子は自己肯定感を失い、自分自身を否定しながら生きていくという、非常に辛い状況に陥る危険性があるのです。

子どもの根本的な特性を変えようとする努力は、多くの場合うまくいかないだけでなく、うまくいってしまった時のリスクが非常に大きいことを理解しておく必要があります。

新しい関わり方の提案:特性を「ありのまま」に捉え、作戦を立てる では、どうすればよいのでしょうか。鍵は、その子の特性を良い・悪いという二元論で判断するのをやめることです。そして、その特性を前提として、人生をうまく歩んでいくための戦略を一緒に考えていくのです。

ステップ1:特性をフラットに認識し、親子で共有する まずは、子どもの特性を客観的な事実として捉え、「あなたはこういう特性があるよね」とフィードバックしてあげることが大切です。

  • 「あなたは、嫌なことがあってもすぐに忘れて、力強く前に進めるタイプだね」
  • 「あなたは、ゆっくり自分のペースで準備をして、最後に帳尻を合わせるのが得意なんだね」

ここでのポイントは、一切の評価を加えず、事実として伝えることです。これにより、親子で「我が子の現在地」についての共通認識を持つことができます。

ステップ2:特性の「良い面」と「裏面」を両方伝える あらゆる特性には、ポジティブな側面とネガティブな側面があります。その両方を子どもに伝えることで、自己理解を深める手助けができます。

例えば、人の気持ちをあまり考えずに行動してしまう「太陽タイプ」の子には、次のように伝えます。

  • 良い面:周りを引っ張るリーダーシップや、失敗を恐れないチャレンジ精神は、あなたの素晴らしい強みだよ。
  • 裏面:ただ、あなたの行動の裏側で、少し辛い思いをしたり、我慢して譲ってくれたりするお友達がいるかもしれないね。その存在に気づけると、もっと素敵な関係が築けるよ。

これは、考えすぎてしまう「月タイプ」の子にも応用できます。

  • 良い面:人の気持ちを深く思いやれる優しさは、たくさんの人を救う力になるよ。
  • 裏面:でも、その優しさが自分を苦しめてしまうこともあるから、時には自分の気持ちを優先してもいいんだよ。

このように、その子の尖りを武器として認識させつつ、それが暴走しないための視点を与えることが重要です。

ステップ3:その子のスタイルを尊重し、共に戦略を立てる 現状認識が共有できたら、次はその子のスタイルがうまく機能するための環境やルールを一緒に作っていきます。

時間ギリギリに準備する子であれば、「早くしなさい!」と叱るのではなく、「君のスタイルは『最終的に間に合わせる』スタイルなんだね。じゃあ、そのスタイルでうまくいくためには、何時になったら最終準備をスタートすれば間に合うかな?」というように、本人を主体とした作戦会議を開くのです。

このアプローチは、親から子への一方的な指示ではなく、親子が同じチームとして課題に取り組む「伴走型」の関わり方と言えるでしょう。

親や教師が心に留めておくべきこと このような関わり方は、家庭だけでなく、学校教育の現場においても非常に重要です。

教師は「毎日コツコツ真面目に努力する子」を評価しがちですが、中には「モチベーションに波があり、好きなことには熱中するが、そうでないものはやらない」というタイプの子もいます。

指導する側が、自分の価値観にそぐわない他者を「悪い」と決めつけ、否定的な態度で接してしまうと、その「自分と違う他者は否定しても良い」という価値観そのものが子どもに伝染してしまいます

私たち大人ができる最も教育的なアプローチは、自分とは違う考え方や生き方をする他者と出会った時に、その違いを否定するのではなく、まずフラットに観察し、認めること。そして、その人がその人らしく輝くための方法を共に考えるという姿勢を見せることではないでしょうか。