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自分の気持ちを言えない「内向的な子」。親と学校ができる関わり方のヒント

思考内側信じて、任せて、認める自己理解けテぶれ

内向的で自分の気持ちを言えない子どもは、その内面に豊かな思考や他者への深い配慮を秘めていることがあります。

親は子どもの心情を推測しながら寄り添い、学校とは具体的な指示よりも「現状確認」を続けることで効果的に連携できます。

子どもの内なる声を信じ、安心できる環境で表現を促す関わり方が、その子の健やかな成長を支える鍵となります。

「言わない」は「考えていない」ではない:内向的な子の内面世界

自分の思いや感情を外に出すのが苦手な、いわゆる「内向的な」お子さんについて、どのように関わればよいか悩む保護者の方は少なくありません。

まず大切なのは、「何も言わないから、何も考えていない」わけではないと理解することです。子どもは皆、エネルギーを持っていますが、そのエネルギーを外に向けて発散するタイプ(心マトリクスでいう太陽タイプ)と、内に秘めてじっくり思考するタイプ(月タイプ)に分かれます。

内向的な子は、衝動的に行動する子に比べて、むしろ考える力が非常に強い可能性を秘めています。たくさんの考えや言葉が頭の中に詰まっているのに、それを外に出していないだけなのです。

私たちは、まず「この子の内側には、豊かな思考の世界が広がっているかもしれない」という視点を持つことが重要です。

なぜ言えない?子どもを信じることから始める関わり方

では、なぜ自分の気持ちを「言わない」「言えない」のでしょうか。その理由を決めつけるのではなく、「こういう可能性もあるのではないか」という、子どもを信じるスタンスを持つことが大切です。

背景にあるのは「他者への配慮」かもしれない 例えば、学校で誰かに嫌なことをされたとします。その出来事を親に話さないのは、次のような思考プロセスが働いているからかもしれません。

1. 嫌なことをされて、とても嫌な気持ちになった。 2. しかし、当時の状況を振り返ると、自分にも悪いところがあったかもしれない。 3. 相手だけが一方的に悪いわけではなく、お互い様だ。 4. だから、自分が被害者であるかのようにこの話をするべきではない。 5. だから、黙っておこう。

このように、自分の立場だけでなく、相手の立場や状況全体を客観的に見てしまうがゆえに、自分の気持ちを表現することをためらってしまうのです。

まず初めに、「この子は、他者を思いやる深い思考の末に、あえて言わないことを選んでいるのかもしれない」という見方で接してあげることが、信頼関係を築く第一歩となります。

家庭でできる具体的なアプローチ

子どもを信じるというスタンスを決めた上で、具体的にどう関わっていけばよいのでしょうか。子どもが言葉にしてくれなくても、行動にはサインが現れることがあります。

  • 子どものサインに気づく

こうした変化に気づいたら、何かしらの悩みを抱えているサインかもしれません。そこから、丁寧な観察とコミュニケーションが始まります。

  • 心情を深く推測し、問いかける
  • 「言ったら相手の子が怒られちゃうと思って、言いにくいのかな?」

このように、子どもの複雑な心情に寄り添い、「はい/いいえ」で答えられるような質問を投げかけることで、子どもは「お母さん(お父さん)は分かってくれている」と感じ、少しずつ心を開いてくれる可能性があります。

一つずつ、その子の内側にあるロジックに寄り添いながら、丁寧に気持ちを解きほぐしていくことが大切です。

学校との効果的な連携方法

家庭で子どもの気持ちが少し見えてきたら、次は学校との連携です。特に、トラブルの原因が家庭外(学校や園)にある場合は、先生との情報共有が不可欠になります。

「指示」ではなく「現状確認」を続ける 保護者として悩むのが、「先生にどこまでお願いしてよいのか」という点です。「こうしてください」と具体的な対応を指示することもできますが、それが必ずしも最善とは限りません。先生は現場の状況をリアルタイムで判断しており、こちらの指示が逆に動きにくさにつながる可能性もあります。

そこで僕がおすすめしたいのは、「指示」よりも「現状確認」を続けることです。

  • 先生に状況を尋ねる

このように、継続的に子どもの様子を尋ねることで、先生もその子に対してより注意深く目を配るようになります。これは、先生に行動を「指示」するのではなく、自然な形で「誘発」する方法です。

状況を尋ねることは、保護者として当然の権利です。先生と現状を共有し続けることで、状況の進展を把握しやすくなり、「次はどうしましょうか」という前向きな話し合いにもつながりやすくなります。

まとめ:子どもの内なる声に耳を澄まし、表現を促す

自分の気持ちをなかなか言葉にできない子は、その内側に、大人が思う以上に複雑で豊かな思考と感情を抱えています。

  • 言えない背景には、他者への配慮や深い思考があるかもしれないと信じる。
  • 家庭では、子どもの心情を推測し、安心感を与えながら少しずつ気持ちを解きほぐす。
  • 学校とは、「現状確認」を続けることで、連携の糸口を見つける。

けテぶれノートのように、評価を気にせず自分の感情をそのまま書き出してよい場を用意することも、寡黙な子が驚くほど多くの言葉を表現するきっかけになることがあります。

大切なのは、その子の内なる声に耳を澄まし、それを表現しても大丈夫なのだという安心感を与えてあげることです。そうした関わりが、子どもの自己肯定感を育み、健やかな成長を支えていくはずです。