この記事では、子どもたちが自ら学ぶ力を育むための学習の4段階「やってみる・できる・説明できる・作る」について解説します。特に、最も創造的な活動である作る段階に焦点を当て、教室で実践できる具体的なアイデアを豊富に紹介します。学習内容を応用して新しいものを生み出す活動が、子どもたちの学びをいかに深めるかを探ります。
学習の4段階「やってみる・できる・説明できる・作る」とは? 子どもたちの学びを深めるためには、段階的なステップを踏むことが効果的です。ここでは、けテぶれやQNKS、心マトリクスといった実践の根底にある、学びの4段階について解説します。
そもそも、これらの4段階の前には知るというステップがあります。教科書を読んだり、授業を受けたりして、まずは学習内容を知ります。そして、なんとなく分かったら、次の4段階に進んでいきます。
1. やってみる 知った内容を、まずは一度試してみる段階です。「わかるようになる」や「できるようになる」はその先の話で、ひとまずやってみるというマインドが非常に重要です。教科書の問いに、まずは取り組んでみることが学びの第一歩となります。
2. できる 「やってみる」を繰り返す中で、問題が解けたり、課題をクリアできたりする段階です。けテぶれで言えば、テストで100点が取れた状態です。この段階に到達したら、自分は「できる」と自信を持つことができます。
3. 説明できる ただできるだけでなく、その答えが「なぜそうなるのか」を自分の言葉で説明できる段階です。友達や先生に説明してみて、相手に納得してもらえれば完璧です。自分の理解が本当に正しいかを確認する重要なステップになります。
4. 作る 学習した内容を使って、何か新しいものを創造する段階です。知識やスキルを応用し、クリエイティブな活動に挑戦します。この記事では、この作る段階で具体的に何ができるのかを詳しく掘り下げていきます。
「作る」段階でできること:創造性を育む活動例 「説明できる」まで到達した子どもたちは、その知識を使ってどのような創造的な活動ができるのでしょうか。ここでは、教室で実践できる「作る」活動の具体例をいくつか紹介します。
1. 〇〇見つけ 学習した内容を、教室や身の回りから見つけ出す活動です。
- 算数見つけ
- 国語見つけ
このように「〇〇見つけ」という方法を教えることで、子どもたちは理科見つけ、社会見つけなど、様々な教科で応用できるようになります。完成した作品は、教室の後ろに掲示したり、見つけた場所の近くに貼ったりすることで、他の子どもたちの学びにも繋がります。
2. 〇〇新聞 学習した単元の内容を、新聞形式でまとめる活動です。その単元の要点や注意点などを、見出しや記事の形に整理して表現します。情報を取捨選択し、分かりやすく要約する力が養われます。これも各教科で応用可能なスキルです。
3. みんプリ(みんなで作るプリント) 学習した単元の内容から、重要だと思う問題を選んで1枚のプリント(問題集)を作成する活動です。これをクラス内ではみんプリと呼んでいます。
完成したみんプリは教室の共有スペースに置き、他の子が自由に挑戦できるようにします。問題を解く側は、友達が作ったプリントで学習を進めることができます。もちろん、子どもが作るので間違いが含まれていることもありますが、それも学びの機会です。間違いを見つけたら、みんなで修正し、より良いみんプリへと改善していきます。
この活動は、子どもたちにとって作成者側に回れるという非常に価値のある学習体験になります。教師にとっても、子どもたちが作ったみんプリを小テストとして活用できるというメリットがあります。
4. 問い作りと探究活動 教科書に載っている問いだけでなく、自分なりの問いを見つけ、その答えを探究する活動です。これはQNKSの「N(問いをいっぱい出す)」にも通じます。
例えば、理科の授業で遮光板を使って太陽を見た子が「太陽って緑色なの?」という疑問を持つことがあります。これは「遮光板が緑色だから」で解決しますが、そこから「じゃあ、太陽は本当は何色なの?」という、より本質的で面白い問いが生まれます。
このように、日々の学習の中から生まれた問いを探究し、自分なりの答えを見つけていくプロセスは、非常にクリエイティブで知的な活動です。学びが探究へと繋がり、その探究がさらに学びを深めるという好循環を生み出すことができます。
5. 解説動画作りなど さらに発展的な活動として、学習内容の解説動画を作成する子もいました。これはまるで通信教育のように、解説動画とワークシートをセットで作成する取り組みです。このように作るという領域は、子どもたちのアイデア次第で無限に広がる、自由な学びのフィールドなのです。
学びの可能性を最大限に引き出すために 「作る」活動は、学習内容を完全に理解した子どもたちだけのものではありません。時には、できる・説明できるを飛ばして、いきなり作るから挑戦したいという子も出てきます。
「作る」から始める学び 「作る」から始める逆方向のアプローチも、挑戦する価値はあります。もちろん、基礎が固まっていないため難易度は非常に高く、失敗することも多いでしょう。しかし、その失敗経験から「地に足のついた学びの大切さ」、つまり教科書の問いから順番に取り組むことの重要性に気づくこともできます。
上限の解放 「できる」ようになった上位層の子どもたちに対して、「教える」という選択肢だけを用意すると、彼らの学びはそこで止まってしまう可能性があります。しかし、「作る」という上限が解放されたフィールドを用意することで、彼らは自分の興味関心に応じて、学びの世界をどこまでも広げていくことができます。
子どもたちが自分の世界でチャレンジし続けられる環境を整えることが、彼らの知的好奇心と創造性を育む上で非常に重要です。
今回は、学習の4段階、特に作る段階での具体的な活動についてお話ししました。これらの活動を通して、子どもたちが学びの楽しさを知り、自ら考え、創造する力を身につけていくことを願っています。