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「けテぶれノート」で学びを止めない!自己探究を深める教育実践サイクル

「けテぶれノート」を活用した計画と振り返りのサイクルは、教師が不在の状況でも子どもたちの主体的な学びを止めません。子どもたちは毎週の振り返りと他者からのフィードバックを通して、自身の「良さ」を発見し、自己理解を深めていきます。この一連の実践は、子どもたちが「自分とは何か」を探究し、自分らしく輝くための土台を築くことを目指しています。

教師が不在でも学びは止まらない「けテぶれ」実践 先日、新型コロナウイルスに感染してしまい、数日間学校を休むことになりました。ご家庭に感染が広がると本当に大変ですよね。私のクラスでは幸い流行していませんでしたが、担任が不在となることで、子どもたちの学びをどう維持するかが課題となりました。

しかし、私が実践しているけテぶれQNKS心マトリクスといった手法のおかげで、子どもたちの学びの停滞を最小限に抑えることができました。自習計画を組むのが非常に簡単で、基本的には「先生がいないだけで、やることはいつも通りだよ」と伝えるだけで済みます。

子どもたちは時間割に沿って、いつも通りのサイクルで学習を進めてくれました。このように、教師が不在の時でも子どもたちが自律的に学びを進められる環境が整っていることは、この実践の大きな強みだと感じています。

学習の足跡を可視化する「けテぶれノート」 私のクラスでは、毎日の授業を同じサイクルで進めています。

1. 計画(授業はじめの5分) * チャイムが鳴ったら、専用の「けテぶれノート」にその時間の学習計画を立てます。 * 「算数で〇〇を頑張る」「〇〇さんに気をつけて協力する」など、具体的な目標を書きます。 * 書けた人から発表し、学びの見通しを共有します。

2. 学習(35分) * 計画に沿って、それぞれの学習課題に取り組みます。

3. 振り返り(授業おわりの5分) * 計画に照らし合わせ、その時間の学習がどうだったかをノートに記述します。 * 書けた人から発表し、学びを共有して授業を終えます。

このサイクルは、教科が国語、算数、理科、社会と変わっても同じです。この「けテぶれノート」を毎日記録することで、私が休んでいる間の子どもたちの学習内容や思考のプロセスを、後からでも詳細に把握することができます。

星の数で行うフィードバック 子どもたちが提出したノートには、コメントを書く代わりに星の数でフィードバックをしています。

  • 星1つ(★): いいね!というポイント
  • 星2つ(★★): とてもいいね!というポイント(写真に撮って学級通信などで紹介します)
  • 星3つ(★★★): 心マトリクスの視点(新しい発想、自分の成長や得意・苦手を発見するなど)で素晴らしい記述があった場合

この方法なら、大量のノートを短時間で確認し、子どもたち一人ひとりに的確なフィードバックを返すことが可能です。

総合的な学習の時間で行う「自分探究」のサイクル 「けテぶれノート」は、日々の学習を記録するだけでなく、子どもたちが自分自身を深く見つめるための貴重な資料にもなります。金曜日の5時間目には「自分探究」と題した総合的な学習の時間を設け、1週間の自分を振り返る活動を行っています。

この活動はQNKSという思考のフレームワークに沿って進めます。

  • Q(問い): 「今週の自分はどうだった?」という問いを立てます。
  • N(抜き出し): 1週間の「けテぶれノート」を読み返し、自分のファインプレー(良かったこと、成功したこと、嬉しかったこと)を抜き出します。失敗経験も、そこから重要な学びを得たのであれば、ポジティブな経験として抜き出して構いません。
  • K(組み立て): 抜き出した情報を、自分の中で論理的に構成します。「はじめに・次に」や「一つ目は〜」といった構成で、自分用のメモとしてまとめます。
  • S(整理): 組み立てた内容を、他者に分かりやすく伝わるように文章として整理します。接続詞や表現技法を工夫し、相手意識を持って文章を練り上げます。

このQNKSのサイクルを繰り返すことで、子どもたちは思考のスピードと質を向上させていきます。

他者からのフィードバックで深まる自己理解 文章が整理できたら、班のメンバーと交流します。

1. 発表: 1人2〜3分で、今週の自分の成長について発表します。 2. フィードバック: 聞き手は、発表内容からその人の良さを抽出し、フィードバックします。 * 例:「〇〇ができたということは、粘り強い人だね」「人に優しく教えられるのは、その内容を深く理解している証拠だね」 3. カードの交換: フィードバックは小さなカードに書いて、発表者に渡します。

自分のストーリーに対して他者から「あなたはこういう人だよね」という視点をもらうことは、自己理解を深めるための重要なヒントになります。学校は、自分についての情報を得る場所でもあるのです。

もらったカードの中から、大切にしたい言葉や嬉しかった言葉を厚紙のカードに書き写し、リングでまとめていきます。これが、その子だけの「自分情報カード」のコレクションとなります。

毎週の席替えが自己分析の機会に 月曜日の1時間目には、毎週恒例の席替えを行います。これは単なる席替えではなく、自己紹介と自己分析を兼ねた活動です。

  • 自己紹介: 新しい班で、自分の「自分情報カード」の中からお気に入りを最大3枚選び、自己紹介をします。
  • 星をつける: 自己紹介で使ったカードには、自分で星印をつけます。

この活動を毎週繰り返すと、星がたくさんつくカードとそうでないカードが出てきます。星が多いカードは、自分が他者に伝えたい、重要だと考えている自分の側面を可視化してくれます。これにより、「自分はこういう人間なんだ」という自己認識を、より客観的に捉えるきっかけが生まれます。

まとめ:「あなたはあなたであるとき最も輝く」ために 私は教室の黒板に「あなたはあなたであるとき最も輝く」という言葉を掲示しています。しかし、「自分とは何か」が分からなければ、自分らしくいることはできません。

金曜日の「自分探究」と月曜日の「自己紹介」は、1週間を自分を見つめる活動で挟むことで、子どもたちが継続的に自己理解を深めていくための仕組みです。

この一連の実践を通して、子どもたちが自分自身を深く知り、自信を持って「自分はこれでいいんだ」と思えるようになること。それが、子どもたちが最も輝く瞬間につながると信じています。