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けテぶれは「分析」からでも始められる

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けテぶれは、必ず「計画」から始めなければならないものではありません。テスト後の分析から入っても、十分にけテぶれ的な学びは始められます。

ただし大事なのは、分析で止めないことです。子どもが自分の現在地を見つめ、そこから練習へ進み、次の計画やテストへつなげていく。教師がそのサイクルの見通しを持っているからこそ、テスト直しは単なる答え直しではなく、「学び方を学ぶ」時間になります。

今回の実践の核は、教師の丸・三角・×をそのまま受け取るのではなく、子ども自身がもう一度、自分の感覚で自己評価するところにあります。教師による他者評価と、子ども自身の自己評価を照らし合わせることで、本当に向き合うべき練習対象が見えてきます。

!けテぶれ図

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けテぶれは、分析から導入してもよい

けテぶれというと、まず計画を立てて、テストをして、分析をして、練習をする、という順番で導入するイメージを持たれるかもしれません。

もちろん、それは基本の形です。しかし実際の授業では、必ずしも計画から始めなければならないわけではありません。教師にとって扱いやすい場面、子どもにとって切実さが生まれやすい場面から始めてよいのです。

その入り口として、とても相性がよいのがテスト後の分析です。

カラーテストが返ってきたとき、子どもたちは点数を見ます。丸や×を見ます。そして多くの場合、間違えた問題の答えを直して終わります。けれども、ここを「分析」の入り口として設計し直すと、テスト直しは大きく変わります。

「なぜ間違えたのか」 「本当は分かっていたのか」 「たまたま当たっただけなのか」 「次に向けて、何を練習すればよいのか」

こうした問いが立ち上がると、テスト後の時間はけテぶれの学習サイクルに接続していきます。

分析から始めてもよい。けれど、分析で終わらせてはいけない。 ここが最も大事なところです。

サイクルとして次へつなぐ意識を持つ

けテぶれの強みは、計画・テスト・分析・練習がばらばらの活動ではなく、サイクルとしてつながっているところにあります。

分析をすれば、練習したくなります。練習をすれば、次はどう学ぶかを考えたくなります。計画を立てれば、実際に試してみたくなります。そうして次のテストや問題演習に向かっていきます。

ですから、教師が「今日は分析だけやらせる」と考えていると、そこで止まってしまいます。子どもは丸や×を眺め、理由を少し書いて、終わりにしてしまうかもしれません。

しかし教師が、「この分析を、どの練習につなげるか」「練習が終わった子は、次の計画にどう進むか」という見通しを持っていれば、子どもの学習は回り始めます。

たとえば、テスト後に分析をする。 分析したら、その分析結果に応じた練習をする。 練習が終わったら、次の学習内容を教科書で見通す。 どこでつまずきそうか、何に気をつければよいかを考える。 それが次の計画になる。

ここまでつながると、テスト直しは「過去の間違いを処理する時間」ではなく、「次の学びをつくる時間」になります。

教師の評価に、子どもの自己評価を重ねる

テストが返ってくると、そこには教師の評価があります。丸がついている。×がついている。点数が書かれている。これは大切なフィードバックです。

ただし、それだけをそのまま分析材料にすると、子どもの内側にある理解の感覚が抜け落ちてしまうことがあります。

たとえば、教師は丸をつけているけれど、子ども自身は「実はよく分かっていない」と感じている問題があります。たまたま答えが合っただけ。途中の考え方はあいまい。説明しろと言われると困る。そういう丸は、子どもにとっては三角かもしれません。場合によっては×かもしれません。

反対に、教師は×をつけているけれど、子ども自身は「考え方は分かっていた」と感じている問題もあります。単位を書き忘れた。読み間違えた。計算の最後で写し間違えた。教科の理解とは別のところで落としている場合です。

そこで、テストが返ってきたら、子ども自身が赤鉛筆や青鉛筆を持って、もう一度自分の感覚で丸・三角・×をつけ直してみます。

これは教師の評価を否定するためではありません。 他者評価と自己評価を両輪にするためです。

教師は答案を見て評価します。子どもは自分の内側の理解感覚と照らし合わせて評価します。この二つが重なることで、初めて「本当に向き合うべき現在地」が見えてきます。

本当に向き合うべき練習対象を見つける

分析で大事なのは、すべての×を同じように扱わないことです。

答えが違っているからといって、必ずしも理解していないとは限りません。逆に、答えが合っているからといって、必ずしも理解できているとも限りません。

ここを見分けることが、分析の核心です。

教師の丸に対して、子どもが「これは説明できないから三角」とつける。 教師の×に対して、子どもが「これは単位忘れだから、理解としては丸」と考える。 こうした再評価が入ることで、テスト直しは深まります。

特に注意したいのは、ケアレスミスまで過度に潰させようとしないことです。もちろん、正確性は大切です。あまりにも雑で、毎回同じようなミスを繰り返すなら、そこには練習が必要です。

しかし、すべてのケアレスミスを神経質に潰し、常に100点を目指すような空気にしてしまうと、分析の焦点がずれていきます。

大切なのは、理解として何に向き合うべきかです。最低限の明示として、たとえば80点を一つの基準にする。そこを超えているなら、細かなブレは誤差として扱う。むしろ、理解があいまいな丸や、説明できない丸を見つけるほうが大事です。

分析とは、点数を完璧にする作業ではありません。自分の現在地を見つける作業です。

大分析の視点
大分析の視点

このように、教師のフィードバックに対して、子どもがさらにフィードバックを重ねることができます。いわば「フィードバックのフィードバック」です。

先生がつけた丸・×を受け取って終わりにせず、自分の理解感覚で見直す。そこから、何を練習するのかを決めていく。これが分析の入り口になります。

丸・三角・×を、練習方法とセットにする

子どもが丸・三角・×をつけられるようになったら、次はそれぞれを練習につなげます。

ここを曖昧にすると、分析は「印をつける活動」で止まってしまいます。だからこそ、丸・三角・×に応じた練習方法を、型として渡しておくことが大切です。

たとえば算数なら、次のように考えられます。

丸の問題は、説明する。 三角の問題は、数字を変えてもう一度解き、説明する。 ×の問題は、解き直してから説明する。

ここでポイントになるのは、どの段階にも「説明」を入れることです。丸だったから終わりではありません。丸なら、なぜそうなるのかを説明する。三角なら、数字を変えて試したうえで説明する。×なら、解き直したうえで説明する。

説明できるかどうかは、理解の厚みを確かめるうえでとても有効です。

全部丸の子にも、やることはあります。説明の範囲を広げればよいのです。一問ずつの説明から、単元全体の説明へ。先生に説明するところから、友達に説明する、クラスに説明するところへ。内容面でも、相手の面でも、説明の広がりをつくることができます。

これが、全部丸の子たちへの上限の解放になります。

「できた子は待つ」ではなく、「できた子はより広く、深く説明する」。 そうすることで、丸の子にも学びの先が生まれます。

練習のイメージ
練習のイメージ

分析と練習をセットで組み込むと、子どもは少しずつ覚えていきます。

「算数の分析とは、こういうふうにするんだ」 「丸なら説明、三角なら数字変え、×なら解き直しなんだ」 「練習したら、次は計画に進むんだ」

このような型が身についていくことが、学び方を学ぶということです。

型を繰り返すことで、学び方として定着する

最初から子どもが自由に分析し、適切な練習を選び、次の計画まで立てられるわけではありません。だから、最初はお手本型が必要です。

テスト後に自己評価する。 丸・三角・×をつける。 それぞれに合った練習をする。 練習が終わったら、教科書を見て次の学習を見通す。 どこで間違えそうか、何に気をつけるかを考える。 それを次の計画にする。

この流れを、授業の中で何度も繰り返します。

繰り返すことで、子どもたちは「勉強とは、こうやって回すものなのだ」と分かっていきます。これは単なるテスト直しの技術ではありません。学び方そのものを身につけていく過程です。

そして、計画まで立てられたら、次はテストです。実際に問題を解いてみればよい。そこでまた結果が返ってきて、分析が始まる。こうして、けテぶれのサイクルが回ります。

教科書を舞台にすると、自由進度的な学びへ近づく

このサイクルを教科書上で回せるようになると、学びはかなり自由進度学習に近づいていきます。

ただし、いきなり「自由に進めなさい」と言えばよいわけではありません。分析・練習・計画の型があり、子どもが自分の現在地を見つめ、次に何をすればよいかを考えられるようになっていることが前提です。

教科書をめくり、次の学習内容をざっと読む。 どこが難しそうかを考える。 どこで間違えそうかを予想する。 次の学習の計画を立てる。

このような動きができるようになると、教師がすべてを細かく指示しなくても、子どもは自分で学びを進める足場を持てます。

自由進度学習は、突然始めるものではありません。分析から練習へ、練習から計画へ、計画から次のテストへというサイクルを、授業の中で着実に経験してきた先に見えてくるものです。

授業で厚みを持たせるから、家庭学習も薄くならない

家庭学習でけテぶれを回そうとすると、どうしても薄いサイクルになってしまうことがあります。

計算ドリルをやる。丸つけをする。間違えたところを直す。少し反省を書く。これだけでは、けテぶれという名前はついていても、学び方としての厚みは出にくいかもしれません。

だからこそ、授業の中で分析と練習をしっかり経験しておくことが大切です。

授業で、丸・三角・×をつけ直す。 授業で、自己評価と他者評価を照らし合わせる。 授業で、分析結果に応じた練習をする。 授業で、説明や数字変えや解き直しを経験する。 授業で、次の計画までつなげる。

こうした経験があるから、家庭学習で計算ドリルに取り組むときにも、ただの作業になりにくくなります。

「これは丸だけど説明できるかな」 「これは三角だから数字を変えてみよう」 「これは×だから解き直してから説明しよう」 「次はどこでつまずきそうかな」

授業で学んだ型が、家庭学習に持ち出されていきます。 この順番が大切です。

テスト直しを、学び方を学ぶ時間にする

テスト直しは、子どもにとっても教師にとっても、つい処理の時間になりがちです。返されたテストを見て、間違いを直して、提出して終わる。けれども、そこには大きな学習の可能性があります。

教師の評価を受け取る。 自分の感覚で自己評価する。 本当に向き合うべき現在地を見つける。 丸・三角・×に応じて練習する。 練習したら、次の計画へ進む。 そして次のテストや問題演習で試す。

この流れが見えてくると、テスト後の分析は、けテぶれの導入として非常に有効です。

大事なのは、分析から始めること自体ではありません。分析を、練習・計画・次のテストへつなげることです。

子どもが「自分は何が分かっていて、何がまだあいまいなのか」を見つめられるようになる。 教師が「その現在地から、どんな練習へ進めばよいか」を型として渡す。 それを繰り返すことで、子どもは学び方を学んでいく。

けテぶれは、計画からでも始められます。 そして、分析からでも始められます。

ただし、どこから始めても、サイクルとして回すこと。 そこに、実践の芯があります。

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