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2026年、葛原学習研究所が進める公教育のボトムアップ改革

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2026年の年始に収録されたこの放送では、葛原学習研究所が今年動かす構想が語られています。全国ツアーとけテぶれフェス、けテぶれ万博、子どものノート共有サイト、オンラインサロンの公的研修パッケージへの昇格、葛原実践の体系化、そして法人化を見据えた社会的基盤の構築。これらは独立したイベントや施策ではなく、子どもと教師一人ひとりの実践がつながり、共有され、社会化されることで公教育をボトムアップに動かすという一つの構想の実装計画として語られています。

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2026年を「実装の年」として位置づける

新年の放送は、少し珍しい導入から始まります。2026年は干支で「丙午(ひのえうま)」の年です。丙(ひのえ)は十干の中でも火の陽にあたり、午(うま)もまた火を表す干支とされています。「火も絵も馬も全部ファイヤー」という、爆発的なエネルギーの年という位置づけです。

ただ、ここで注意が必要です。これは干支の解説をしたい放送ではありません。60年前に社会現象となった「丙午生まれの女性は縁起が悪い」という風説は、当時のジェンダー観の偏りから生まれたものであり、今日においてそのような語り方はあり得ないと明確に述べたうえで、あくまでも「今年はそれだけ熱量のある年だ」という文脈として紹介されています。この導入の意図は一つだけです。温めてきた構想を実装へと動かす一年の始まりとして、その熱量を示すこと。

葛原学習研究所
葛原学習研究所

葛原学習研究所のミッションは、学習力を公教育で育てるための知識・実践・仕組みを社会へ開いていくことにあります。個人の熱量に依存した私的な活動にとどまらず、全国の教師と子どもが参加できる公的・持続的な場へと育てること。2026年の構想はすべてその方向を向いています。

全国ツアーとけテぶれフェス:地域の教師と直接つながる

2026年の大きな動きの一つは全国ツアーです。夏を中心に北海道から九州まで、7〜9都市を回る計画が語られています。各地でのけテぶれフェスが軸となりますが、それだけではありません。

フェス開催の前後数日を活用して、その地域の学校での研修を組み込むという設計が示されています。たとえば北海道でフェスを開くなら、事前に北海道入りして3日間、午前午後あわせて計6本程度の研修を近隣校で実施できるようにしたいというイメージです。これにより移動コストが分散され、より声をかけやすい形で研修を受けられるようにしたいと述べています。

これは単に「全国を回る」という話ではありません。現地の教師と直接会い、フェスを通じて実践者同士をつなぎ、研修として深める。その往復の中で、地域ごとの実践と全国の実践がリンクしていく仕組みをつくるという構想です。

けテぶれ万博:実践を全国規模でつなぐ場

もう一つの大きな構想が「けテぶれ万博」です。全国で熱い実践を進めている教師や、けテぶれを全校で取り組んでいる学校が一同に会する場として構想されており、これまでの研修の形を「格上げ」した万博として位置づけられています。3月の春分の日ごろを目標とし、毎年この時期に定例化していくことも見据えているとのことです。

重要なのは、子どもの参加も視野に入れていることです。全国のけテぶれ実践者の子どもたちに、自分が頑張ったと思えるけテぶれノートの写真を送ってもらい、先生たちがフィードバックを返す。その中で☆のフィードバックが多く集まった子どもを「スター賞」として表彰し、受賞式をYouTubeで公開することで、全国の子どもたちが関わりを感じられるような仕組みをつくりたいと語っています。

万博は単なる年次イベントではありません。「全国の子どもと教師が、1年間この日に向けて意識を向けて走れる仕組み」として機能させたいというのが核心にある構想です。

けテぶれのWikipedia:子どもが参照できる実践知の共有基盤

万博と連動する形で語られるのが、けテぶれノートの共有サイト構想です。万博に集まったノートの写真の中で、本人の許諾があり、個人情報の処理も適切に行えるものについては、「どこがどのように良かったか」というコメントと「子ども自身がどこをどう頑張ったか」というコメントを添えてウェブ上で公開し、全国の子どもたちが参照できる場として整備したいというものです。

これを「けテぶれのWikipediaみたいなもの」と表現しています。ポイントは、これが単なる作品展示ではないということです。全国の子どもが「お手本」として参照し、自分で学ぶための実践知の基盤として育てたい。参照しながら自分で勉強できる、そこにノートを載せることを目標にチャレンジできる、そういう学びの場として機能させる構想です。

この共有基盤と万博が連動することで、「一人ひとりの子どもの学びが教育全体を押し上げる」という公教育のボトムアップ改革の具体的な姿が形を持ち始めます。

オンラインサロンから公的研修パッケージへ

けテぶれサロンプラスは、現在もオンラインのDiscordを通じてラボ形式の学び合いを進化させながら運営しています。ここで語られるのは、この場の意義についての踏み込んだ視点です。先生たちが個人のお金と時間を使って学ぶこの場は、確実に「研修のデザイン」であり、公的な資金によって支えられるべき仕組みとして昇格していくべきだというのです。

熱の広げ方
熱の広げ方

全国の先生たちが勤務時間内に、実践知識を交流し、少人数のラボミーティングを行えるような形にまで育てたい。そのためのオンライン研修パッケージを今まさに試行錯誤の中で整えているところだと言います。市単位でこのシステムを導入し、全市の先生がアクセスできるような形へ。「Canvaを導入した」と同じ感覚で「ボトムアップサロン(研修のデザイン)を導入した」と言える状態を目指すという表現が印象的です。

現在のサロンに参加している方々は、単に学びを受け取るだけでなく、「全国に輸出するためのパッケージを共につくる人たち」だという認識で関わってほしいと語られています。その意識で参加することが、全国の先生たちへのモデルケースを作ることにつながるからです。

現在地に応じた熱の広げ方

ラボ設計の核心にあるのが、参加者それぞれの「現在地」に応じた関わり方ができるという点です。メンターとして学びを届ける側に立つこともできる。メンティーとして学びを受け取る側に立つこともできる。さらには、「今期はちょっと離れて、ラボのやり取りを半歩外側から見るだけ」「ミーティングに耳だけ参加する」という関わり方もOKだと明示されています。

これは教室での熱の広げ方と同じ原理です。全員が同じ深さで関わることを求めず、それぞれの現在地からできる形で参加しながら、全体の学びが循環していく。個別最適な学びと自由進度学習の考え方が、教師の学びの場にも適用されています。

実際にラボでは、北海道の先生の実践を真似したという発表を長野・名古屋・大阪の先生が行い、九州の先生から教わった実践を東京の先生が試す、という連鎖がすでに起きているそうです。「こんな学びの連携・連動・流動が起こっているよということをプロトタイプとしてどんどん見せてくれている」という言葉通り、これは将来の構想ではなく、今現在進行中の現象です。

情報の体系化:数千万字規模のQNKSへ

葛原実践に関わる情報は、今や相当な量に達しています。Voicy、記事、ラボでの語り。この「情報の氾濫」を、次の段階として体系化していく構想が語られています。

けテぶれ×QNKS
けテぶれ×QNKS

QNKSで言えば「NからK」への移行です。Nは抜き出しの段階。これまでVoicyを含めた発信は、実践的な知識を抜き出し続けてきた段階でした。これからは抜き出したものを「組み立て」、「構造として見られるようにする」段階へ進みます。

「数千万字規模のQNKS」という表現が使われています。膨大な語りや記事をスキーマとして整理し、構造的に把握できるようにする。用語の定義を明確にし、その用語を使って書かれた記事を参照でき、記事同士のつながりが見える状態をつくる。これが「葛原実践・葛原の語りの体系化」として今準備が進められていることです。まずはN0→N1→N2という段階を踏み、ウェビングからグループ化へ。先行公開はけテぶれサロンプラスの中から始まる予定とのことです。

個人の支えから社会的基盤へ:法人化と公教育への接続

最後に語られるのは、活動の基盤をどこに置くかという問いです。現在の葛原学習研究所は、サポータープランや書房読み放題プランを通じて個人のサポートによって支えられています。くざはら書房の有料記事を全て無料にするというプロジェクトもその一環ですが、これは単なる値下げではありません。知を囲い込まず、社会的に意義ある活動として公教育全体へ開いていくというミッションに根ざしています。

法人として立ち上げ、企業や公的資金によって支えられる形での活動へと移行すること。個人のサポートに支えられる段階から、社会的に認められた活動として継続できる基盤へ。これが見据えられている次の段階です。

全国ツアー、けテぶれ万博、ノート共有サイト、ラボの研修パッケージ化、実践の体系化、そして法人化。どれも独立した企画ではなく、一つの問いへの実装です。公教育を「上から制度を変える」のではなく、「教師と子どもの実践と学びがつながり、共有され、社会化されることでボトムアップに動かす」という構想が、個人の熱量だけに依存しない持続可能な形で実現されるために、2026年に何をするか。その答えがこの放送に詰まっています。

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